目次
MVPは、Minimum Viable Productの頭文字を取った略称です。必要最小限の機能を持ったプロダクトのことを指します。つまり、目的を達成するために必要最低限の状態の製品・サービスがMVPです。
「MVP開発」は、必要最小限の機能を持つプロダクトをユーザーが実際に使うことができる状態に開発することをいいます。必要最低限の製品・サービスを利用してもらい、得られたフィードバックを参考に新機能の追加や改善を繰り返すのがMVP開発の目的です。
ここでは、MVP開発のメリットや種類について紹介します。
MVP開発が、最小限の機能を備えた製品を早期にリリースすることで、顧客からの反応やフィードバックを得るという手法であることに対して、ウォーターフォール開発は、ひとつずつ開発工程を完了させ、次の工程へ進めていく手法です。
開発の工程は、「要件定義」「計画」「分析」「実行」「テスト」「展開」の6つの流れで進みます。たとえば4つの機能があるとすると、1~4の全ての機能の「要件定義」をして、それが完了すれば、全ての機能の「計画」へと進みます。
MVP開発とプロトタイプ開発とは、あらかじめ開発予定のプロダクトを何らかの形で製造するという点と、ユーザーのフィードバックを得ながら完成を目指すという点で共通しており、広義で見れば同じカテゴリーの開発手法ですが、その最大の違いは、開発する目的です。
MVP開発は実際にマーケットでユーザーに使用してもらったうえでフィードバックを得る手法であるのに対し、プロトタイプ開発では、開発するプロトタイプはあくまで試作品であり、社内やクライアントとの検証でのみ用いられます。つまりマーケットへのリリースを前提にしていません。
アジャイル開発が、開発を素早く機敏に実行していくために、小さな機能単位で実装とテストを繰り返し行う開発手法であるのに対し、MVP開発は、最小限の機能を搭載したプロダクトやサービスをリリースして、ユーザーのフィードバックを受けながら検証・改善する開発手法であり、アジャイル開発には、MVP開発にある、ユーザーのフィードバックがプロセスに組み込まれていません。
機能ごとに短い開発工程を繰り返すことで一つ一つの機能を開発していくアジャイル開発は、MVP開発と相性の良い関係性にあると言えます。
PoCとは、「Proof of Concept」の略で、「概念実証」のことです。新しいアイデアやコンセプトを実行する前に、実現の可能性を検証する「検証プロセス」を指します。PoCでは、実際に試作品の制作や実装を用いた検証を行うため、精度の高い判断ができます。
MVP開発と混同されやすい概念ですが、実際には以下の違いがあります。
つまり、開発目的や用途が異なります。
必要最低限の機能を備えたプロダクトを提供し、ユーザーからのフィードバックを得ることで、顧客ニーズを把握することができます。そのフィードバックを元に、新たな機能の実装や改善が可能です。ニーズに合った製品・サービスの提供ができます。
実際にサービスを提供してフィードバックをもらうことで、PDCAを高速化することが可能です。最初は必要最低限の機能だけを搭載するため、開発の時間を最小限に抑えられます。その上で、必要なものに絞って機能を追加していくため、開発フローが効率化します。無駄な機能を実装するリスクも避けられます。
期間やコストをかけて作り込んだプロダクトは、販売数に伸び悩むと収益化までに時間がかかりかねません。MVP開発なら、時間とコストを抑えて開発でき、ニーズとのギャップの修正も迅速に行えるため、早期収益化が期待できます。
立案段階で立てた仮説の質が低いと、検証段階で軌道修正が必要になる場合もあります。その場合、MVP開発が一度では終わらないことになります。新規事業や新規サービスが成功する確率が非常に低いので、MVP開発を行う回数によっては、コストが高くなる可能性があります。
MVP開発は、登場してからまだ年数が浅く、学術的にも実務的にも情報量は十分にありません。そのため、MVP開発から本開発へ移行するかどうかは企業の中で判断しなければなりません。その判断には、ビジネス的な判断だけではなく、技術的・デザイン的・マーケティング的な複合的要素が絡み合います。そのため、MVPの知見やノウハウがあり、専門スキルを持ち合わせた開発会社やマーケティング会社との連携が必要になります。
内部統制機関が働き、かつブランディング維持を目的とした対外活動(広報等を含む)を行う大企業では、MVP開発時点のプロダクトをリリースすることはなかなか難しいことです。新規事業や新規サービスを開始する場合、関係組織の責任者への説明回りや根回しは手厚く行う必要があり、この作業が大変になります。
プロトタイプは必ずしも必要最低限の機能で作成されるわけではないため、MVPとイコールではありません。しかし、プロトタイプを必要最低限の機能で制作すれば、MVPのひとつです。プロトタイプは、試験やデモ用に制作された実験機のことです。実際に動くプロダクトで検証します。他の手法と比較して開発コストは大きくなる傾向があります。
検証内容を「ユーザーの関心」に絞り、ユーザーがサービスに興味・関心を持つかだけを調べる手法です。サービス紹介ビデオとプレオーダーの2種類で行われます。プロダクトの開発前にユーザーの関心を調査するのが目的です。
ターゲットユーザーへの聞き込みやサービスの提供などをマニュアルで行います。ユーザーの真のニーズを得やすい手法ではあるものの、全てをマニュアルで行うので、コストがかかります。
「見た目はしっかりしているけれど、実は中身はたいしたことない」という意味のオズの魔法使いという手法、たとえば、Webサイトの商品ページは作成するが、注文分の処理はシステム化せず手動で行うといった手法のことです。このケースでは、注文後の処理以降のシステムを開発しないため、コストが抑えられます。
サービスの内容やサービスのメリットを紹介するランディングページを作り、事前登録フォームをつけて、ユーザーニーズを検証する手法です。大規模なシステムやプロトタイプの制作をせず、ユーザーニーズがどれくらいあるかを確認できます。
モックアップは「模型」のこと。製品の外観のみ作る手法です。ユーザーからは完成形にみえるものの、内部の仕組みやデータは簡略化されています。デザインのイメージ共有、トンマナ確認、情報アーキテクチャ設計の確認などに使われます。
MVP開発を行う場合のメリットは、最小限の機能でユーザーに価値提供の仮説検証が行える点であると考えられます。ここでは、検証すべきことと検証方法についてご紹介していきます。
MVPの役割のひとつとして挙げられるのが、提供されるサービスに対して「顧客がお金を支払うだけの価値があるか」という価値仮説の検証です。MVPを通じ、提供したサービスによって顧客の課題をどれだけ解決できたのかを確認できます。
「提供サービスに価値があるか」という点については、「顧客が実際にお金を払ってくれたか」「製品サービスの使用継続率」の2点を確認することで評価を行えます。ここで、もしお金を払ってくれる人がいないのであれば、「顧客にとってはそれほど大きな課題ではない」または「提供したサービスが顧客の課題解決につながっていない」といった可能性も考えられます。また継続率が低い場合には、「サービスを使い続けるだけのメリットが提供できていない」という可能性があるといえます。
MVPを通じて市場仮説の検証も行います。ここでは提供サービスに対して「ニーズは多いのか」「市場はあるか」、また「将来的に成長が可能なのか」といった検証を行います。
場合によっては、顧客が抱えている課題は解決したものの、同じ課題を抱えている人があまりいないことから、ニーズがそれほどない可能性も考えられます。このような場合にはMVPを通じて顧客の反応を確認することで、ニーズがどれくらいあるのかを把握できます。
MVPで仮説検証を実施する場合には、「MVPを通じてどのような仮説を検証したいのか」「誰のどのような課題の解決を行いたいのか」といった仮説をしっかりと立てます。
前のステップで立てた仮説を検証するために、MVPに盛り込む必要最低限の機能について検討を行います。
上記で検討した、必要最低限の機能を搭載したプロダクトの作成を行います。
作成したプロダクトを対象ユーザーに使用してもらうことによって、検証を行っていきます。プロダクトを使用してもらったユーザーに対しては、プロダクトについての評価やアドバイスなどについてヒアリングを行いましょう。
検証の段階で得られたユーザーからの評価・アドバイスなどをもとにして、プロダクトの改善を行っていきます。例えば新しく機能を追加したり、必要に応じて提供するサービスを変更することもあるでしょう。
以上のような工程を繰り返すことによって、提供するサービスのブラッシュアップを行っていきます。
MVP開発は、必要最低限な機能だけを搭載してユーザーに使ってもらうことで、真のニーズに合った製品・サービスを提供できるというメリットがあります。業務が効率化されると同時に早期収益化が期待できる手法です。ぜひ取り入れる検討をしてください。
MVP開発では、スピーディーな仮説検証と改善の繰り返しが成果の鍵を握ります。ノーコード技術を活用すれば、プロダクトを早く・安く形にでき、最小構成でのリリースが容易です。
実装リソースが限られるスタートアップや新規事業でも、専門知識なしでPoCやMVPを検証・改善していく環境を整えることができます。
このサイトでは、「スピード重視で検証を進めたい」「社内業務を仕組み化したい」「会員制サイトを構築したい」など、目的に合わせて選べるノーコード受託開発会社3社をご紹介しています。
実際の制作実例も掲載していますので、自社の課題に近いケースがあるか、パートナー選びのヒントとしてご活用ください。
ノーコード開発の依頼先には得意とする領域や支援スタイルに違いがあります。
だからこそ自社の目的に合わせたパートナー選びが、成長や成果に直結する重要なポイントです。
ここでは「何を実現したいか」に着目し、それぞれ異なるニーズに応える受託開発会社3社を紹介します。
最小限の機能を備えた試作品なら最短2週間で提供※1。短期間で効果検証し、PDCAを回したい企業に適した開発体制を備えています。
50件以上の開発支援※2で培った知見で、構築後に自社運用や自走に移行しやすい体制を整備。外注に頼らず継続的にプロダクトを磨いていけます。
Excel等で管理している情報を社内の状況に合わせてアプリ化し、非エンジニアでも扱えるプロダクトとマニュアルを提供しています。
東京消防庁や製造業、医療福祉などIT導入が難しい領域での実績がある点も強み。自治体や中小企業の現場主導型DXの丁寧な支援が特徴です。
業態ごとの会員に最適化したパッケージを複数展開。メディア系・フィットネス・教育など、目的に合わせたテンプレートの活用で、短期間かつコストを抑えた会員制サイト構築が可能です。
基本パッケージをベースに、独自要件に合わせた機能追加にも柔軟です。